青少年中国派遣事業とは?

この事業は、次代を担う若い世代の国際力を高めるため、国際交流や中国語に関心を持ち、かつ意欲的に研修に取り組み、帰国後の地域交流にも貢献する志のある佐賀県内の高校生(第1または2学年に在学)を対象に、近年発展著しい中国(中華人民共和国)へ派遣し、同世代の若者たちとの交流や見分を通じることで広い視野を養うとともに、より深い国際理解を得ることのできる人材の育成を目的としています。

実際に中国を訪問し現地の人々と接することで、偏見のない正しい国際理解力や向上心を培い、日中友好交流を通じて真の国際人を目指しましょう!

現地での様子

本場中国料理のお味は?

中国の高校生の興味は?

広大な迫力の大地!

応募資格

以下のすべての条件に該当すること

  • ①佐賀県内の高等学校第1・2学年に在学している生徒
  • ②心身ともに健康で、海外研修に適応できる生徒
  • ③計画に従って、規律ある行動のできる生徒
  • ④国際交流や中国語学習に興味・関心を持ち、意欲的に研修に取り組むことができ、帰国後も地域社会に貢献しようとする意欲のある生徒
  • ⑤この事業の応募と参加に保護者が同意している生徒
  • ⑥主催者が実施する全ての事前及び事後研修会に必ず参加できる生徒
  • ●事前研修:本研修前に4回
  • ●事後研修:本研修後に2回

参加費

個人負担金4万5千円程度
(総経費の6分の1程度の金額)

  • ※以下の費用は個人負担となります。
  • ●事前事後研修会参加に係る
    自宅⇔研修会場間の交通費
  • ●本研修時の福岡空港
    (集合場所及び解散場所)⇔自宅間の交通費
  • ●海外旅行傷害保険料
  • ●お小遣い等の個人的な費用
  • ●パスポート取得に係る費用

応募について

参加申込書は学校を通じて提出してください。なお、参加申込書は各学校に配布しています。
また、書類選考後に面接を予定しています。

※新型コロナウイルスの影響により青少年中国派遣事業は現在中止しております。
再開の際は、当ホームページで告知致します。

派遣者の声

第7回派遣団リーダー


第7回派遣団リーダー写真

佐賀県立武雄高等学校 3年 大森 佳歩

こんにちは。この度、第7回青少年中国派遣団のリーダーを務めさせて頂きました、武雄高校の大森佳歩です。私が今回の派遣事業に応募した理由は、単純に中国に行きたいという気持ちだけでした。日本と関係が深く、また、世界経済においても絶大な影響力を持つ中国という国の文化、人、生活を肌で感じ、中国の『今』を知ることが応募した当時の私の目標だったように思います。しかし、出発前の事前研修も含め、私が今回の派遣事業で得られたものは、想像以上に大きかったです。

実際に中国に行ってみてまず感じたのは、日本とさほど変わらないなということです。偏見でしかないのですが、私の中での中国は、国民にあまり自由がなく、全てを国が管理しているというイメージでした。しかし実際には、それぞれが自由にファッションを楽しみ、街は人々で賑わっている、とてもアジアらしいパワフルな空気で満ちていました。お土産屋さんやレストランで出逢った人達もとても気さくで、言葉がなくても自然と盛り上がり笑顔になれるような中国の人の明るさが、私は大好きになりました。

中国に到着した次の日、私たちは長春にある二つの高校の生徒と交流会をしました。私にとって衝撃だったのは、二番目に交流をした第六高級中学校での風景です。校庭にはいくつものバスケットコート、フットサルコートがあり、授業を受ける校舎以外に実験棟や食堂、動植物の展示施設や会議のための施設など、日本の一般の高校では考えられないほど充実した設備でした。そんな環境で毎日の学校生活を送っている高校生たちは、勉強に対する意識もとても高かったです。そんな生徒たちと交流する中で、私は彼らの中にある強い愛国心をひしひしと感じました。国のおかげで今の自分たちの生活や充実した学習環境があることに感謝し、それらに応えようという思いが自分たちの原動力でもあると、交流した生徒は言います。私は今まで、自分の学校生活をそのように捉えたことはありませんでした。現地の高校生との時間はとても刺激的で、同世代の1人の人間として考えさせられることがたくさんあり、とても有意義な時間を過ごせたと思います。

3日目は、長春から北京まで高速鉄道で約5時間の移動。その道中、窓から見えた景色は北京や長春とは全く違い、高い建物は一切なく、ただひたすら広がる野原にポツポツと家が建っていました。その景色の中に人の姿を見ることは滅多にありません。都市部はあんなに発達しているのに、少し離れるとこんなに景色が変わるのか、と少し寂しいような気持ちになりました。中国では、都市部と山間部、沿岸部と内陸部の経済格差が問題になっていますが、その現実の一部を目の当たりにしました。日本ではなかなか見ることのない景色ですが、これは中国に限らず、世界が直面している問題だと思います。これからの世界経済の発展を考える上で、私達にとってとても意味のある経験でした。

4日目は、世界遺産の天壇公園を観光した後、在中国日本大使館を訪問しました。日本で暮らしていると全く意識しませんが、大使館は意外にも身近な存在でした。外交関係の仕事だけではなく、日本人と中国人の交流の場を設けたり、日本文化を広める活動をされていたりと、人と人とをつなぐ地道な活動も大使館の役割だと知り、とても興味深かったです。

大使館を訪問した後、私たちは北京の繁華街を散策しました。ここで私は、人生で初めてのものを食べます。サソリの唐揚げです。繁華街の屋台で生きたまま串刺しにされて売られていました。実際に食べてみると、味は海老とあまり変わりませんでした。しかも味付けがカレー風味だったのでとても美味しかったです!見た目は気持ちが悪く、多少抵抗があるかもしれませんが、後悔はしないと思います。ぜひ、中国に行ったら挑戦してみてください。

5日目の午前中は、私が今回の派遣事業で一番楽しみにしていた万里の長城に行きました。万里の長城には、観光客向けの女坂と、女坂に比べて傾斜がかなり急な男坂があります。私は男坂を登りましたが、頂上に着くまでは部活のトレーニングのようでした。しかし、登りながら見える景色や頂上からの眺めは圧巻です。この城壁が何千年も前からここにあったのだということを考えると、出る言葉もありませんでした。中国の歴史の長さと人の偉大さを感じ、死ぬまでに絶対にまた来ようと心に決めました。万里の長城は、私の中で今回の研修の中での一番の思い出です。午後からは、北京市内にあるイオンの視察をさせていただきました。店内の内装などは日本とほとんど変わらず、中国にいるのにまるで日本にいるかのように感じるほどです。そこで実際に働いていらっしゃる日本人の方、そして現地の中国人の方の両方にお話を伺えたのは、とても貴重な経験でした。

私は今、今回の派遣事業に参加して良かったと心から思っています。中国に行けたという経験ももちろんですが、この6日間を共に過ごした11人の個性豊かなメンバーに出会えて本当に良かったです。そして、清香奨学会の皆様。私達にこのような貴重な機会を与えてくださり、ありがとうございました。今回の交流で出会えた中国の高校生たちと、これからも交流を深め、小さなことではありますが、日中友好に努めて参りたいと思います。謝謝!!!!!!

第6回派遣団リーダー

第6回派遣団リーダー写真

佐賀県立佐賀北高等学校 3年 中村 由加里

今回、中国派遣事業に参加させて頂き、大変意味深いものになりました。今回の派遣事業でお世話していただいた全ての方にお礼申し上げます。

この派遣事業は、私にとって人生のターニングポイントになったと確信しています。皆さんは、中国という国に対してどのようなイメージを持っていますか?爆買い、マナーが悪い(ポイ捨てなど)、反日などでしょうか。それは、報道により、固定化されたイメージではありませんか?日本では先ほどあげたようなことがよくニュースとして取り上げられています。私は、もともと中国の映画や歴史ドラマ、京劇が好きで、中国という国に対して、あまり悪いイメージは持っていなかった方だと思います。とはいえ、私自身も、少なからずそのようなイメージは持っていました。しかしながら、派遣事業を通して、メディアの報道が全てではないと改めて気付かされました。日本で行われている中国という国に対しての報道と、実際に訪れて、私が感じた中国とでは、かなりのギャップがあるようです。時代は進んでいます。中国から日本を訪れる人は年々増加していますが、日本から中国を訪れる人はあまり増えていないそうです。そこには、日本人のステレオタイプの考え方が原因しているのではないでしょうか。また、私は、PM2.5による大気汚染やごみのポイ捨てがひどいというイメージを特に強く持っていました。地球温暖化等の環境問題を考えていくうえで、中国という国は外せません。今回、私はずっと気になっていた中国の環境活動に注目してみました。6日間の中で巡った地域では、至る所にごみ箱が設置されていました。バス停や歩道、もちろん、遺跡などの観光地にもです。確かに、まだ開発途中の場所では、ポイ捨ても多く見られました。しかし、都市部ではほとんど見られず、きちんとごみ箱にごみが収められていたのです!加えて、自転車のシェアリングがかなり普及して、通勤にも普通に使われていることには、とても驚かされました。中国では、人口が多いため、持つ車の台数が制限されたりして、抽選になっていたりするそうです。だからこそ、普及しやすかったのかもしれません。このシステムは、どこで借りて、どこに返してもいいというもので、返された自転車を回収し、並べてくれる人がいるそうです。ごみ箱にも、ごみを回収する人が必要なので、この2つのシステムは、環境に優しく、新たな雇用を生んでいる、これは凄いことだと感じました。これを参考に、日本国内でもプロジェクトを組めば、良い活動につながると思いました。そして、多くのバス停では、地球温暖化や大気汚染に対する呼びかけの看板がありました。また、高速鉄道から見た景色の中には大規模な植林の様子やソーラーパネルがありました。更に、中国のお店では、基本的に、袋も有料で、これも環境活動の1つです。中国で行われている環境活動は、私の想像をはるかに超えていました。6日間だけでこれだけの発見があったのですから、きっともっとたくさんの活動が行われていると思います。中国全土で見れば、少しずつではあるかもしれないけれど、部分的には急ピッチで環境活動が盛んになってきていることが目で見てはっきりと分かりました。

また、今回の派遣事業のメインともいえる、東北育才外国語学校の生徒との交流では、中国の高校生の積極的な活動や自分の考えをストレートに伝えるところが、とても素敵で、日本の私たちの世代に足りないものだと感じました。彼ら、彼女らは、とても親切で、親しみが持てました。私は、交流の中で仲良くなった数人と連絡先を交換し、帰国後、連絡を取ってみました。その中で、将来日本に留学したら留学生として日本と中国の架け橋になりたいという話を聞けました。私は感動して涙がこぼれました。みんな本当に日本の事を好きだと思ってくれているのが伝わってきました。正直、もっと交流する時間がほしいと思うほど、魅力的な高校生でした。とにかく勉強に対する姿勢や考え方が随分大人びているし、親元から離れて、寮生活をしながら努力している姿を見て、様々なことを考えさせられました。私たちは交流をする中で、同世代の者同士互いにコミュニケーションがとれたと思います。今回限りでなく、ぜひ今後も交流を継続したく思います。

加えてこんなエピソードもありました。中国のコンビニに派遣メンバー10人で行ったとき、お会計のために並んでいると(実はこれが私たちにとって中国で最初の買い物で、初めて中国のお金を使うために、それぞれにお会計に時間がかかってしまっていたのですが)、別の列に並ばれていた男性が私たちのその様子を見て、日本人だと分かった上で、店員さんに「彼女らを優先してください」と言い、私たち10人全員のお会計が終わるのを待ってからご自身のお会計をされていました。私は、その男性に「谢谢」と述べました。男性は笑顔で返してくださいました。日本人だと分かっても、たまたま遭遇した私たちに、親切にしてくださる方がいて、感激しました。

今回の6日間という派遣の中で、私たちが見ることができた中国は、大国のほんの一部に過ぎません。しかし、日本国内で、新聞やテレビ、スマートフォンばかり見ていても、それらが常に正しいとは限りません。実際に自分の目で見て、肌で感じることがベストだと思います。しかし、それは簡単なことではありません。だからこそ、今回、参加させていただいた私たちが、学び、吸収してきたことを発信していきたいと思います。日本国内でも私たち高校生ができる活動を行っていきたいと思います。この経験は、私の人生に大きな影響を与えたと思います。今後、この経験を活かし、広い視野を持ち、良いものは良いと認める力を持ち、グローバルに活動できる人材へと成長していきたく思います。

第5回派遣団リーダー

第5回派遣団リーダー写真

佐賀県立唐津東高等学校 3年 森 華子

 今回の研修は私にとって大変思い出に残るものになり、またたくさんの出会いがありました。正直、私はこの研修で中国に行くまでは自分の勝手なイメージで、中国の人たちは意地悪で、爆買いをして、日本のことが嫌いな国だと思っていました。私の父は中国が好きで何度か旅行に行ったことがありました。その影響で、あまり中国のことを悪く思わないように、テレビで観る反日のデモを起こしているのはごく一部の人たちで全員がそういう人たちではないと思うようにしていました。しかし、それでもやはり出発まではとても不安でした。

実際に中国についてみると街は茶色でさびれていて、高層ビルが立ち並ぶ近くにはまだまだたくさんの古い家がありました。近年、急激な経済成長を遂げた中国は、もうすっかり先進国の仲間入りだと思っていましたが、中国の街並みをみて、まだ発展途上国だと言われている理由が分かりました。「あの中国でこのくらいなら、他の発展途上の国はもっと進んでないのかな」と思うと、日本がどれだけきれいな国で、恵まれているかが分かり、しかし同時にそれに今まで気づかずに当たり前に生活していた自分を恥ずかしく思いました。私が一番カルチャーショックを受けたのは中国のトイレでした。本当に汚くて、「こんなところでできないよ!!」と思いました。男女同じトイレだったり、ニーハオトイレだったり、ぼっとん便所だったり、何よりトイレットペーパーがない!!初日は大きなトイレの衝撃をうけました。しかし、2日目の中国の東北育才外国語学校に行ったときに、またまた大きな衝撃を受けました。それは、中国の高校生たちの明るさです。私たちのプレゼンテーションにたくさん反応しながら聞いてくれて、積極的に話しかけてくれて、本当にいい人ばかりで、いい刺激になりました。将来、東京の大学に行って、また会おうねという約束もしました。みんな日本のことが好きで、日本のことを良く知っていて、自分のイメージしていた人たちとはあまりに違って最初はとても驚きました。私はその時に、世界は広く、自分は井の中の蛙だったと思い知らされました。百聞は一見に如かず。実際に行って見てみないと分からないことはたくさんあります。

今回の中国の派遣研修に佐賀県の代表として行けたことを本当にありがたく思います。今回の研修で、準備から当日まで私たちを手助けしてくださった清香奨学会の皆様、現地のガイドさん、そして送り出してくれて両親に感謝したいと思います。今回の研修で学んだことをこれからの私の人生で生かし、佐賀県、日本、そして世界で役立てていくことを恩返しだと思い、これからもっと頑張って行きたいと思います。